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薬膳インストラクター、薬膳マイスター

薬膳とは/薬膳、マクロビオテック

薬膳

薬膳とは

料理イメージ薬膳とは中医学の理論に基づき、食物の作用を用いて作られた食事です。

難しい生薬を配合した食事の事だけを指すのではありません。

春夏は体を涼しくし、津液(体液)を補い気力を補う食物を、秋冬には体を温めて気血の流れを良くし栄養を補う食物を…食物の作用を用いて健康な状態に体を保ち、疾病の予防、治療・回復、老化防止をする食養生が薬膳なのです。


薬膳は、医食同源、薬食同源という考え方がある中国医学の理論がベースになっています。

医も食も源は同じ、食べものは薬と同様に健康の維持増進や病気を予防するものだとしています。

食材がもつ力を活用する料理なので、食材の性質や効能、食べる人の体質、気候、環境などを考慮します。

クコの実や金針菜などの特別な漢方食材を利用する料理だけが薬膳なのではなく、身近にある一般食材もその性質を生かして用います。

食べものの味を、酸(すっぱい)、苦(にがい)、甘(あまい)、辛(からい)、鹹(しおからい)の五つに分類して、それぞれの効能や対応する内臓との関係、体を温めたり冷やしたりする食材の作用や組み合わせによる効果を料理に盛り込みます。

個人の体調や体質、季節にあわせて、食べものと体質との相性、食べものと食べものの相性など食材の特性を生かした食事です。

「医食同源」「薬食同源」という考えは、食と健康をあつかう栄養士・管理栄養士が食育やセミナーなどを行う際にも役立つ概念の一つだと思います。

薬膳は栄養学にはない東洋的な発想をもつ中国栄養学といえるのではないでしょうか。

薬膳を理解すると西洋と東洋の両面から食の知識や理解が深まり、料理や健康への提案に生かすことができるでしょう。

薬膳に関する資格は日本においては各認定団体が発行する民間資格ですが、中国では公的にあたる薬膳資格もあるようです。


薬膳の定義としては、まず中医学の理論に基づいたものでなければなりません。

ここでいう中医学の理論とは、整体観念(せいたいかんねん)と弁証論治(べんしょうろうち)の2つの大きな柱があり、わかりやすくいうと、季節やココロとのバランスを取りながら(=整体観念)、体質や体調によって食材や調理法を考える=(弁証論治)ことです。

ちなみに、漢方薬や鍼灸などでは「弁証論治」といいますが、食の提案をする薬膳では「弁証施膳」(べんしょうせぜん)と呼んだりします。

つまり、ベースの考え方は漢方も同じで、対処法がクスリになるか、食材になるかの違いなのですね。

また、医食同源という言葉があるように、クスリと食物はともに天然物で、同じような特性を持ち、治療効果があるなど互いに似たような意味合いがありますが、薬膳を用いるうえで忘れてはならないことがあります。

それが“毎日続けられる、おいしい食事”であること。

いくら薬効があっても、まずいものだと続きませんよね。

食べやすいように加熱したり、味を整えておいしく味わうことがとても重要なのです。



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